三宝化学工業の強みSTRENGTH
技術で世の中の役に立ちたいという思いで70年以上
三宝化学工業株式会社の設立は昭和22年で、すでに70年以上の歴史を持つ企業となりました。
設立当時は終戦後まもない時期だけにモノ不足が深刻で、あらゆる産業で材料が足りない状況がつづいていました。そこで「人が必要としているものをつくりたい」という考えから、染色や染料、合成洗剤などに用いられる芒硝(ぼうしょう)の精製を手がけることから三宝化学工業はスタートしました。
芒硝は化学繊維であるレーヨンの製造工程で副生物としてつくられる物質で、そのままだと廃棄物でしかありませんが、これを独自の精製技術によって価値のある製品に再生することで、幅広い用途に利用される化学原料となります。
今でこそ循環型社会、持続可能な産業構造の重要性が叫ばれていますが、モノを粗末にせず有効利用するという考え方は設立当時からつづくものです。自分たちの技術で世の中の役に立ちたいという思いも、設立当時から今に受け継がれている私たちの思いです。
経営資源をフル活用、チャレンジ精神とともに事業分野を拡大
芒硝の精製を事業としてスタートした三宝化学工業ですが、そのための設備を応用した事業分野として、珪酸塩(メタ珪酸ソーダ)の製造にも進出、さらに芒硝の精製技術を応用して凝固剤である硫酸カルシウムの製造にも進出をしてきました。
これらはすべて産業界からのニーズにおこたえをしたもので、持ち前の設備や技術を活用して何か新しいことに取り組んでいきたいというチャレンジ精神が形になったものです。
チャレンジ精神は三宝化学工業の強みであり、成長の原動力です。設備面や技術面での経営資源に加えて、大垣は水の都と称されるほど良質な水資源に恵まれた土地柄です。そういった自然からの恵みを活用することで、食品添加物である凝固剤への進出をさらに発展させる形で食品分野へも進出を果たし、もやしの生産というまったく異なる分野でも多くの実績を積み上げてまいりました。
今あるもの、活用できる資源からいかに価値あるものを生み出すかというのは、三宝化学工業が長年大切にしてきた価値観です。
化学メーカーがつくる、安全でおいしい「伊吹もやし」
芒硝や珪酸塩、洗剤などを手がけ、「三宝化学工業」という社名を持つ会社が生産し、多くのお客さまから高い評価をいただいているのが「伊吹もやし」です。
もやしは栄養を豊富に含んでいるだけでなく、工場で生産されることから気候の影響を受けにくく、価格や供給量が安定していることから野菜の優等生として知られています。
揖斐川の良質な水に恵まれた地の利と、化学メーカーとして蓄積してきた衛生管理や環境管理技術を活用することで、農薬と肥料を使うことなく生産される高品質なもやしが、「伊吹もやし」です。
もやしは傷みやすい野菜としても知られていますが、「伊吹もやし」は日持ちがよく、特に夏場の気温が高くなる時期においてもシャキッとした状態で長持ちするという評判をいただいています。
工場で生産されているとはいえ、もやしは生き物です。促進栽培をすると生産性は向上しますが、その一方でもやし本来の力が低くなってしまいます。もやし本来の速度で成長し、完熟させることが高品質である最大の理由です。しかし完熟させるためには高度な衛生管理や環境管理が必要になるため、ここに化学メーカーとして培ってきた技術がいかされています。
食育活動をはじめとする社会貢献で企業の責任を果たす
化学製品やもやしの生産はいずれも社会貢献度の高い事業ではありますが、それに加えて三宝化学工業では社会に貢献する企業であるための活動に力を入れています。
もやし生産をおこなっている揖斐川食品事業所では、食育活動の一環として近隣の小学校からの見学や中学校からの職業体験を積極的に受け入れており、すでに10年以上取り組みをつづけてきました。
「こんなに丁寧につくられているのか」という感想をよくいただきますが、そのほかにも子供たちならではの気づきや感じ方からは、もやし生産者としての改善点を気づかせてくれることもあり、品質や業務の改善に役立てています。
見学に来ていただいた小学校には全校分のもやしをお届けして、自分たちが見て感じたもやしを実際に食べるということで、安全な食べ物を日々食べられることの大切さを感じてもらっています。
また、三宝化学工業は障がい者雇用を通じて「働きたい!応援団ぎふ」の活動にも参画しております。
産業や社会から必要とされるものをつくる企業であるのと同時に、三宝化学工業そのものが社会から必要とされる企業であるため、今後もさまざまな活動に取り組んでまいります。
ご好評におこたえして「伊吹もやし」の生産体制を拡充
おかげさまをもちまして、三宝化学工業の「伊吹もやし」は安全で高品質であるとして大変ご好評をいただいており、需要に生産が追いつかない状況になりつつあります。そこで揖斐川食品事業所の工場を拡充し、生産能力の拡大をはかっております。
昨今は異常気象などで野菜の価格が高騰すると、そのたびに気候からの影響を受けにくいもやしに注目がしばしば集まります。もちろん、もやしも植物なので気候などの影響を全く受けないということはありませんが、それでも野菜の優等生と呼ばれているのは事実です。生産能力を増強することで、より多くの需要におこたえし、安定的な供給体制を確立することができます。
三宝化学工業は食品事業を通じて、供給量だけでなく価格面でも安定したもやしの生産をおこなうことで、皆さまのお役に立ちたいと考えております。決して派手さはありませんが、自分たちの役割を実直に果たしていくことで社会に貢献していきたいというのが、私たち三宝化学工業が大切にしているポリシーです。